結婚式は、お二人の新たな門出を祝う人生で最も特別な一日です。その感動的な一日を締めくくるエンドロールムービーは、ゲストへの感謝を伝え、忘れられない思い出を刻む大切な演出となります。映画のスタッフロールのように、当日参列してくださったゲスト一人ひとりの名前を記し、感謝のメッセージと共に流れる映像は、式の余韻を最高潮に高めるでしょう。特に近年では、挙式から披露宴までのハイライトを当日撮影し、その場で編集して上映する「撮って出しエンドロール」が人気を集めています。
このエンドロールムービーの印象を大きく左右するのが、BGMとなる「曲」の選び方です。本記事では、ブライダル業界のプロの視点から、エンドロールにふさわしい曲選びのポイントから、見落としがちな著作権の注意点、さらには具体的なおすすめ曲まで、網羅的に解説します。この記事を読めば、お二人の結婚式がより一層輝き、ゲストの心に深く刻まれるエンドロールムービーを制作するためのヒントが見つかるはずです。
結婚式エンドロールの曲選び、なぜ重要?
エンドロールムービーは、結婚式のクライマックスを飾る重要な演出です。そのBGMは、ゲストが結婚式という幸せな一日を振り返る上で、大きな役割を果たします。曲のテンポや歌詞、雰囲気が映像とマッチすることで、感動は倍増し、ゲストの心に深く響く余韻を残すことができます。
エンドロールは、ゲストへの感謝を伝える最後のメッセージ。選曲一つで、そのメッセージの伝わり方が大きく変わります。
エンドロールに適した曲の選び方:5つの重要ポイント
エンドロールの曲を選ぶ際には、以下の5つのポイントを意識することで、より感動的で記憶に残るムービーに仕上がります。
1. 曲のテンポと雰囲気
エンドロールに使う曲は、映像の流れに合ったテンポと雰囲気が非常に重要です。
* **感動的なシーンにはバラード:** ゆったりとしたバラードは、感動的なシーンや感謝の気持ちを伝える場面にぴったりです。
* **明るく楽しい雰囲気にしたいならアップテンポ:** 楽しかった一日の余韻に浸り、ゲストに笑顔で帰ってもらいたい場合は、明るくポップな曲がおすすめです。
2. 映像とのマッチング
映像と曲のマッチングは、エンドロールのクオリティを大きく左右します。
* **笑顔が多いシーンには明るい曲:** 披露宴の楽しい雰囲気やゲストの笑顔が中心の映像には、明るく軽快な曲が合います。
* **感動的なシーンにはしっとりとした曲:** 挙式の厳かな雰囲気や、新郎新婦の感動的な表情を映す映像には、心に染み入るようなバラードが適しています。

映像と曲が完璧にマッチすると、ゲストはまるで映画を観ているかのような一体感と感動を味わえます。映像の切り替わりやハイライトに合わせて、曲の盛り上がりを意識すると良いでしょう。
3. 歌詞の内容に注目
エンドロールは、新郎新婦からゲストへの感謝のメッセージを伝える場でもあります。そのため、歌詞の内容は非常に重要です。
* **感謝や愛、未来への希望:** 「ありがとう」の気持ちがストレートに伝わる歌詞や、二人の幸せな未来を歌ったラブソングが特に好まれます。
* **NGワードに注意:** 「別れ」「失恋」「悲しみ」「死」などを連想させる歌詞や、曲が生まれた背景に結婚式にふさわしくない意味合いがある場合は避けるべきです。例えば、一青窈さんの「ハナミズキ」は美しいメロディーですが、9.11後に戦争で亡くなった人々へ向けて作られた背景があるため、結婚式での使用は推奨されません。
4. ゲストの反応を考慮した選択
幅広い年齢層のゲストが参列する結婚式では、ゲスト全員が親しみやすい曲を選ぶことも大切です。
* **世代を超えて愛される定番曲:** 誰もが知っている名曲は、会場全体に一体感を生み出し、感動を共有しやすくなります。
* **流行りの曲を取り入れる場合:** 若い世代には響きますが、年配のゲストには馴染みが薄い可能性もあります。バランスを考慮しましょう。
5. 曲の長さとエンドロールの時間
エンドロールムービーは、一般的に3分から5分程度にまとめるのが理想とされています。 長すぎるとゲストが飽きてしまう可能性があり、短すぎるとゲスト全員の名前や感謝のメッセージを載せきれない場合があります。
* **1曲フルコーラスが基本:** エンドロールでは1曲をフルコーラスで使用することが多いため、曲の長さがエンドロールの尺に合うかを確認しましょう。
* **編集で調整:** もし使いたい曲が長すぎる場合は、サビの部分でフェードアウトしたり、編集ソフトで一部をカットしたりして調整することも可能です。
結婚式エンドロールにおすすめの曲リスト【邦楽・洋楽・ジャンル別】
ここでは、結婚式のエンドロールにぴったりの人気曲を、邦楽・洋楽、そしてジャンル別に厳選してご紹介します。
邦楽:感動と感謝を伝える名曲
邦楽は歌詞がストレートに伝わるため、新郎新婦の想いをゲストに届けやすいのが特徴です。
【2025年最新】ISUM週間申請ランキング(エンドロール)より(2025/6/4~6/10集計)
- **明日晴れるかな / 桑田佳祐**:ドラマ主題歌としても有名で、未来への希望を感じさせる歌詞が感動を呼びます。
- **Soranji / Mrs. GREEN APPLE**:ボーカルの大森元貴さんが「とてつもない愛をこめた」と語る、心温まる一曲です。
- **115万キロのフィルム / Official髭男dism**:80年分の映像を記録するフィルムの長さを歌い、生涯のパートナーでいることを伝える令和を代表するウェディングソングです。
その他、定番・人気の邦楽
- **家族になろうよ / 福山雅治**:ゼクシィのCMでもお馴染みの定番曲。「家族になろうよ」というストレートなメッセージが感動を誘います。
- **Wherever you are / ONE OK ROCK**:ストレートな愛のメッセージと、ゆったりとしたメロディから盛り上がる曲調がエンドロールにぴったりです。
- **ありがとうの輪 / 絢香**:両親やゲストへの感謝を込めた歌詞が、結婚式にふさわしいと評判です。
- **幸せをフォーエバー / MISIA**:結婚式の定番ソングとして広く知られ、壮大な愛を歌い上げます。
- **愛をこめて花束を / Superfly**:力強くも温かい歌声で、感謝の気持ちを伝えるのに最適です。
- **蝶々結び / Aimer**:二人の恋愛を蝶々結びに重ねた可愛らしい歌詞が、夫婦の絆を感じさせます。
- **たしかなこと / 小田和正**:優しく語りかけるような歌声と歌詞が、感動的な雰囲気を演出します。
- **アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN) / MISIA**:愛の形を歌った感動的なバラードで、多くのカップルに選ばれています。

洋楽:おしゃれでロマンチックな雰囲気を演出
洋楽は歌詞が直接伝わりにくいため、メロディーや曲調で雰囲気を重視したい場合に最適です。
- **Perfect / Ed Sheeran**:世界中で愛されるウェディングソングの定番。ロマンチックな歌詞とメロディーが感動を深めます。
- **Sugar / Maroon5**:明るくポップな曲調で、楽しい雰囲気のエンドロールにぴったりです。
- **A Thousand Years / Christina Perri**:映画『トワイライト・サーガ』の主題歌で、永遠の愛を歌う感動的なバラードです。
- **You Raise Me Up / Celtic Woman**:美しい歌声と「あなたが私にがんばる力をくれる」という歌詞が、感謝の気持ちを伝えるのに最適です。

ディズニー・ジブリ:幅広い世代に愛される世界観
ディズニーやジブリの楽曲は、幅広い世代に認知されており、映画のイメージと重ねて印象的なエンドロールを演出できます。
* **ホール・ニュー・ワールド / アラジン**:壮大な世界観とロマンチックなメロディーが、二人の新たな旅立ちを彩ります。
* **星に願いを / ピノキオ**:希望に満ちた歌詞と優しいメロディーが、感動的な雰囲気を演出します。
* **君をのせて / 天空の城ラピュタ**:冒険と絆を感じさせる壮大な曲で、二人の未来への期待感を高めます。

著作権は最重要!結婚式で曲を使用する際の注意点と対策
結婚式で市販の楽曲をBGMやムービーに使用する場合、著作権に関する適切な手続きが必要です。これを怠ると、法律に触れる可能性があります。
著作権の基本知識
音楽には、作詞家や作曲家が持つ「著作権」と、レコード会社やアーティストが持つ「著作隣接権」があります。結婚式のムービーに市販の楽曲を使用する場合、この両方の許可を得る必要があります。
使用許可の取得方法
個人で直接、作詞家・作曲家やレコード会社に許可を得るのは非常に困難です。そこで、以下の方法が一般的です。
1. ISUM(一般社団法人音楽特定利用促進機構)の利用
ISUMは、結婚式での楽曲利用に関する著作権・著作隣接権を一括して処理してくれる団体です。
* **ISUMデータベースの確認:** ISUMのデータベースに登録されている楽曲のみが、適法に利用可能です。使用したい曲が登録されているか、事前に確認しましょう。
* **式場や制作会社を通じて申請:** 多くの結婚式場や映像制作会社はISUMと提携しており、新郎新婦に代わって申請手続きを行ってくれます。
2. 著作権フリーの音楽を利用
著作権フリーの音楽は、許可なく自由に使用できるため、著作権手続きの手間を省きたい場合に有効な選択肢です。ただし、無料であっても利用規約を確認し、商用利用が可能か、クレジット表記が必要かなどを確認しましょう。


著作権に関する問題は、結婚式準備で最も見落としがちなポイントの一つです。トラブルを避けるためにも、必ず事前に式場の担当者や映像制作会社に相談し、適切な手続きを行いましょう。
法的な問題とその対策
無断で楽曲を使用した場合、著作権侵害となり、罰金や罰則が科せられる可能性があります。 自作ムービーの場合でも、友人や家族が制作した場合でも、報酬が発生するか否かに関わらず、著作権法違反となるため注意が必要です。
対策としては、ISUMを通じて正規に許諾を得るか、著作権フリーの音源を利用するかのいずれかを選択しましょう。また、ストリーミングサービスやダウンロード購入した楽曲をそのまま式場で流すことも、著作権の観点からNGとされています。
エンドロールムービーの制作と曲の編集
曲選びだけでなく、映像と曲をどのように組み合わせるかも、エンドロールの感動を左右する重要な要素です。
曲の長さと映像の調整
エンドロールの理想的な長さは3分から5分程度ですが、ムービーの内容やゲストの人数によって調整が必要です。
* **ゲストの名前表示:** ゲスト全員の名前を載せる場合、一人あたりに割ける時間が限られるため、曲の長さに合わせて表示時間を調整しましょう。
* **映像のハイライト:** 挙式や披露宴のハイライトシーンを効果的に挿入し、曲の盛り上がりに合わせて映像を切り替えることで、よりドラマチックな演出が可能です。
曲の編集テクニック
* **フェードイン・フェードアウト:** 曲の始まりと終わりを自然に繋ぐために、フェードイン(徐々に音量を上げる)やフェードアウト(徐々に音量を下げる)を活用しましょう。
* **カット・ループ:** 曲が長すぎる場合は、サビの部分を繰り返したり、不要な間奏をカットしたりして、映像の尺に合わせることができます。
* **コメントとのバランス:** エンドロールには感謝のコメントが表示されることが多いため、曲の歌詞とコメントが重ならないよう、イントロ部分でコメントを読ませるなど、バランスを考慮しましょう。

失敗しないためのアドバイスと体験談
結婚式のエンドロールは、一生に一度の大切な思い出。後悔しないために、先輩カップルの失敗談から学び、対策を立てましょう。
よくある失敗例とその対策
失敗例 | 具体的な内容 | 対策 |
---|---|---|
**著作権問題** | 使いたい曲が著作権の関係で使えなかった。 | ISUMデータベースで事前に確認し、登録されている曲を選ぶか、著作権フリーの曲を利用する。式場や制作会社に相談し、適切な手続きを行う。 |
**映像と曲の不一致** | 曲のテンポと映像の雰囲気が合わず、違和感があった。 | 選曲時に、映像のイメージ(明るい、感動的など)を明確にし、それに合った曲を選ぶ。試写で必ず確認する。 |
**曲の長さの不適切** | エンドロールが長すぎてゲストが飽きてしまった、または短すぎて名前が入りきらなかった。 | エンドロールの理想的な長さ(3~5分)を意識し、曲の長さを合わせる。必要に応じて編集で調整する。 |
**画質・音質の悪さ** | 自作ムービーの画質が粗い、音声が途切れるなど、クオリティが低かった。 | 高画質で撮影し、編集ソフトの機能を活用する。事前にテスト再生を行い、友人や家族にフィードバックをもらう。 |
先輩カップルの声
「私たちは自作に挑戦しましたが、著作権の知識が全くなく、直前で使いたい曲が使えないことが判明し、慌てて別の曲を探しました。もっと早く確認しておけばよかったです。」
「エンドロールの試写を怠った結果、当日に映像と曲のタイミングがずれていることに気づき、後悔しました。リハーサルは本当に大切だと痛感しました。」

エンドロールムービーは、当日撮影した映像を使う「撮って出し」が人気ですが、その分、事前の打ち合わせと確認が非常に重要になります。カメラマンや制作会社と密に連携し、仕上がりのイメージを共有しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: エンドロールの曲の長さはどのくらいが適切ですか?
A1: 一般的には3分から5分程度が適切とされています。 ゲストが飽きずに楽しめる長さであり、ゲストの名前や感謝のメッセージを無理なく表示できる時間です。
Q2: 歌詞の内容は重視すべきですか?
A2: はい、非常に重要です。 結婚式にふさわしい「愛」「感謝」「未来への希望」などをテーマにした歌詞を選びましょう。 「別れ」や「失恋」を連想させる歌詞は避けるべきです。
Q3: インストルメンタル曲の選び方は?
A3: インストルメンタル曲は歌詞がない分、映像に集中しやすいというメリットがあります。 映像の雰囲気に合ったメロディーや楽器編成の曲を選びましょう。ピアノやバイオリンのインストルメンタルは、感動的なシーンにぴったりです。
Q4: オリジナル曲やアレンジは可能ですか?
A4: はい、可能です。オリジナル曲を作成したり、既存の曲をアコースティックバージョンやインストルメンタルにアレンジしたりすることで、よりお二人らしいエンドロールにすることができます。専門のサービスに依頼することも可能です。
まとめ:最高の結婚式エンドロールを叶えるために
結婚式のエンドロールムービーは、お二人の感謝の気持ちを伝え、ゲストの心に深く刻まれる大切な演出です。最適な曲を選ぶことで、その感動はさらに増幅されます。
最適な曲選びのためのチェックリスト
- **曲のテンポと雰囲気:** 映像のイメージに合っているか?
- **映像とのマッチング:** 映像のハイライトと曲の盛り上がりが連動しているか?
- **歌詞の内容:** 結婚式にふさわしいポジティブなメッセージか?NGワードは含まれていないか?
- **ゲストの反応:** 幅広い世代のゲストに親しまれる曲か?
- **著作権と使用許可:** ISUMデータベースで確認し、適切な手続きを行うか、著作権フリーの曲を選ぶか?
- **曲の長さと編集:** エンドロールの尺に合っているか?必要に応じて編集で調整可能か?
結婚式エンドロールを成功させる秘訣
最高の結婚式エンドロールを成功させる秘訣は、**「事前の準備と確認」**に尽きます。プロのアドバイスを参考にしながら、お二人のスタイルに合った曲を選び、著作権の確認を怠らず、そして何よりも「リハーサル」を徹底することです。
お二人の大切な一日を締めくくるエンドロールムービーが、ゲストの心にいつまでも残る素晴らしい思い出となるよう、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
JASRAC公式サイトで、著作権の詳細や使用許可の取得方法を確認できます。
結婚式エンドロールの曲ランキング:選び方と最